【Q】当社には自動車通勤(マイカー通勤)をしている役員がいます。1ヶ月の通勤手当は国税庁の「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」に従って、18,700円を支給しています。その役員の自宅は山間部にあり、一般道を使うと非常に通勤時間がかかることもあり、高速道路を利用して通勤しています。この高速道路の通行料金は非課税の通勤手当として認められますか?
【A】所得税法第9条では、通勤手当の非課税について、以下のように規定しています。
その者の通勤に係る運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法による運賃等の額又は定期乗車券の価額と当該交通用具を使用する距離につき第2号イからトまでに定める金額との合計額(1月当たりの金額が15万円を超えるときは、1月当たり15万円)
前段の「最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法による運賃等の額」とは、質問者さんの場合は、高速道路を使うことが最も経済的かつ合理的と認められるかどうかについて検討することになります。
「その役員の自宅は山間部にあり、一般道を使うと非常に通勤時間がかかる」とありますので、高速道路を利用することは、「最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤の経路及び方法」と認められると考えます。
後段の「当該交通用具を使用する距離につき第2号イからトまでに定める金額」とは、国税庁の「マイカー・自転車通勤者の通勤手当」に規定されている金額です。
前段と後段の合計額が、非課税として認められます。
今回の質問のケースでは、18,700円と高速道路料金の合計額が非課税となります(上限15万円)。ポイントは、高速道路を利用することに合理性があるかどうかということです。すべての高速道路を利用するケースで非課税になることではないのでご留意ください。
【マイカーなどで通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額の表】
(平成26年4月1日以後に支払われるべき通勤手当)
片道の通勤距離 | 1か月当たりの限度額 |
2キロメートル未満 | (全額課税) |
2キロメートル以上10キロメートル未満 | 4,200円 |
10キロメートル以上15キロメートル未満 | 7,100円 |
15キロメートル以上25キロメートル未満 | 12,900円 |
25キロメートル以上35キロメートル未満 | 18,700円 |
35キロメートル以上45キロメートル未満 | 24,400円 |
45キロメートル以上55キロメートル未満 | 28,000円 |
55キロメートル以上 | 31,600円 |
【根拠条文】
所得税法第9条第1項第5号(非課税所得)、所得税法施行令第20条の2
詳しくは、豊中市の松田税理士事務所までお問い合わせください。